G. オルナーティ 1921 モデル
2008年製作 ¥735,000(税込)
ジュゼッペ・オルナーティGiuseppe Ornati(1887-1965)ミラノの郊外で生まれ後にミラノで活躍した弦楽器製作家です。元は楽器(チェロ)を習い、家具製作の経験があり楽器を作り始めた、という他のイタリア弦楽器製作家にも多い経歴の持つ彼は20世紀前半を代表するミラノの製作家の一人です。
彼は製作家としての経歴だけでなく、第二次戦後クレモナの国立バイオリン製作学校で教鞭をとっていたという事でも実績があり今クレモナで有名を馳せるG.B.モラッシーやF.ビソロッティは彼の元で学んだのでした。彼の作品は工作のうまさとエレガントさから現代でも多くのイタリアの製作家が手本にしています。
この楽器のモデルにした楽器の所有者はミラノ市立弦楽器製作者学校で修復の教鞭をとっている私の先生でもあったG.ネグリ氏で、彼のお宅にお邪魔して他の素晴らしいモダンイタリアの楽器コレクションと一緒に拝見させて頂きました。この楽器は彼が33〜34歳頃、おそらく独立して働き始めた時期、の作品と考えられますが私と同じ年頃に製作されたもので、同年代にしてこんな楽器を作っていたのか、とショックを受けながらも奮起して製作に励んだのを思い出します。