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楽器製作

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの製作を行っています。


音楽がみんなで共有する耳の喜びのためのシステムであるなら、楽器はハードウェアであり楽譜がソフトウェアです。演奏者はユーザであり聴衆はこれらのアウトプット(出力)を総合的に享受する立場になります。

パソコンの世界にWindowsとかMacintoshとかUNIXとか様々なシステムが存在するように音楽にも様々なシステムが存在します。それと同様に様々な演奏者がいます。みんながみんな大オーケストラの前で演奏するソリストではないですし、なかにはリュートやチェンバロなど囁くような音楽を奏でる方もいるでしょう。ですから、すべての音楽や演奏者にとって共通する理想的な楽器というのは存在し得ないのです。ヴァイオリンも同じです。

万物はすべて相対的です。

もちろん私が作る楽器も例外でなくすべての人に素晴らしい楽器ではないはずです(多くの方に好評を得られるように努力はしていますが・・・)。しかし、要求されている音楽に必要な、あるいは演奏者に必要な楽器について十分に理解してハードウェアを組み立てているつもりです。楽器と音楽と演奏者は相互に関係し合っているのです。それを念頭に楽器製作に励んでいます。

『世界の調和 ——armonia unversale』は森羅万象のバランス関係を解くものであり、楽器メーカーは音楽と自然科学と人々に調和をもたらすことを仕事にしています。楽器はデリケートに、物理的な理論と機能的な構造のバランスの上に成り立っています。

僕の作った楽器がある人にとっては他のヴァイオリンに無いユニークな魅力があって演奏することが楽しくなるような存在であると信じて毎日木を削っています。


ゼロから作ります

楽器は切り出した材木から製造します。すべてのパーツを手作りすることで製作者の意図にそった物作りができるからです。使う材料も自身の経験と研究、哲学に基づいて選んだものを使います。